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神谷 朋宏; 吉田 啓之
衝撃波シンポジウム講演論文集(インターネット), 7 Pages, 2024/03
これまで、原子力発電所において事故時に発生することが懸念される蒸気爆発をシミュレーションするため、保存則を満たすghost fluid法を開発してきた。開発手法では、バルク領域が高次精度で離散化される一方で、界面影響領域が一次精度の空間近似で解析されており、一貫したアルゴリズムとなっていなかった。そこで、仮想流体の取得方法を修正し、界面影響領域に対しても高次精度の近似手法を適用できるより包括的なアルゴリズムを提案した。本発表では、アルゴリズムを概説するとともに、数値テスト結果について報告する。
上澤 伸一郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之
混相流, 37(1), p.55 - 64, 2023/03
東京電力株式会社福島第一原子力発電所の廃炉工程において、放射性飛散微粒子の発生が指摘されており、その閉じ込め管理が課題となっている。エアロゾル粒子の捕集にはHigh Efficiency Particulate Air (HEPA)フィルタが用いられるが、HEPAフィルタの負荷を軽減するためにスクラバなどの前処理設備の適用が考えられる。スクラバでは、気液界面を介して気体から液体へ移動することによりエアロゾル粒子を除去する。捕集効率は気液界面積に依存するため、高い効率を得るためには気泡の微細化が必要となる。そこで本研究では、ベンチュリ管における気泡微細化現象に着目した新しい粒子捕集技術を開発し、その有用性を確認するため捕集性能評価試験を行った。その結果、ベンチュリ管を用いることにより、捕集性能が直管と比較して1,000倍以上向上し、その捕集効率がHEPAフィルタと同程度であることを確認した。また、関東ローム、SUS、オイルなどの様々な粒子に対して十分な捕集性能があることも確認できた。一方で、液体流量の増加とともに捕集効率は増加したものの、気相流量の増加とともに減少するなど、捕集効率が液相流量や気相流量に依存することが明らかとなった。この原因としては、流量により気泡微細化が活発もしくは抑制されるためと考えられる。本試験においても、気泡微細化現象のパラメータであるキャビテーション数と捕集効率に関係があることが確認されており、気泡微細化現象が捕集性能に大きく寄与していることが明らかとなった。
杉原 健太; 小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 山下 晋
第36回数値流体力学シンポジウム講演論文集(インターネット), 5 Pages, 2022/12
本報告ではConservative Allen-Cahn型のMulti-Phase Field(MPF)法をベースに、個別の相の保存性も保証する保存型MPF法を提案し、2次元の界面移流計算による保存性検証テストを実施し保存できていることを確認した。保存型MPF法を水平に配置された2つの気泡上昇計算に適用し、Duineveldらの実験における気泡の反発現象をZhangらの計算の1/50の解像度で再現可能であることが分かった。
上澤 伸一郎; 吉田 啓之
混相流シンポジウム2022講演論文集(インターネット), 2 Pages, 2022/08
福島第一原子力発電所の廃炉工程において、放射性飛散微粒子の発生する可能性が指摘されており、その閉じ込め管理が課題となっている。閉じ込めに必要な排気系における放射性飛散微粒子の除去方法としては、既存の排気設備と同様に繊維フィルタなどが用いられると考えられるが、燃料デブリ切断・取り出し時など、飛散微粒子が高濃度に発生する環境下では、繊維フィルタの目詰まりにより、交換頻度が増大することが予想され、メンテナンス作業の負担や放射性廃棄物の増加を招くことが想定される。そこで本研究では、従来にないメンテナンスフリーの飛散微粒子除去技術として、気泡微細化現象を利用した飛散微粒子除去技術を開発した。気泡微細化現象とは、縮小拡大管内において液中の気泡が瞬時に縮小崩壊し、微細な気泡に変化する現象である。本技術は、この一連の気泡挙動に着目した技術であり、気泡の収縮・微細化による気液界面の変形、気泡微細化による単位体積当たりの気液接触面積の大幅な増加、微細気泡による流れの撹拌、気泡微細化による気泡の滞留時間(液中に気泡が存在する時間)の長期化等の効果により、飛散微粒子の気体から液体への移行を促進し、効率的に気体の微粒子を除去できることが期待される。本報では、この縮小拡大管における気泡微細化現象を用いた微粒子除去技術について説明するとともに、その有用性を確認するために実施した、粒子除去性能評価試験結果について報告する。
杉原 健太; 小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 山下 晋
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 27, 5 Pages, 2022/06
フェーズ・フィールド法は気液界面の追跡手法として様々な多相流問題に適用され、成功を収めている。しかしながら、フェーズ・フィールド法の精度は、問題に応じて経験的に調整されたハイパーパラメータに依存する。フェーズ・フィールド法は移流項の数値粘性と拡散・逆拡散項による界面修正のバランスによってシャープな界面を維持する。この点に着目し、界面移流の基本的な誤差解析を行うことによって非経験的に最適なハイパーパラメータを決定する手法を提案する。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 山下 晋; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
Proceedings of International Conference on High Performance Computing in Asia-Pacific Region (HPC Asia 2021) (Internet), p.120 - 128, 2021/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Computer Science, Hardware & Architecture)本研究では、二相流体解析コードJUPITERに対して、マルチグリッド前処理付き共役勾配(MG-CG)法を開発した。MG法は、3段のVサイクルMG法に基づいて構築し、各段に対して、RB-SOR法およびGPUのキャッシュを再利用したCR-SORを開発・適用した。性能測定として、バンドル体系に対する気液二相流体解析を行った。RB-SOR法およびCR-SOR法を適用したMG-CG法では、MG法を適用しないPCG法と比較して、収束までの反復回数を15%と9%以下に削減するとともに、3.1倍, 5.9倍の計算速度が達成された。以上の結果から、本研究で開発したMG-CG法は、GPUを用いたスーパーコンピュータ上にて、効率的に大規模な二相流体解析が可能であることが示された。
秋葉 美幸*; 堀田 亮年*; 阿部 豊*; 孫 昊旻
日本原子力学会和文論文誌, 19(1), p.1 - 15, 2020/02
プールスクラビングの機構を理解するために、スケールが異なる3つの試験を実施した。小規模個別効果試験では、高速ビデオ, ワイヤメッシュセンサー, PIV等の高分解能二相流計測手法を用いて、単一気泡や二相流構造を把握した。大規模総合効果試験では、定圧と減圧両方の条件におけるエアロゾル除去効果に対する水深や水温の影響を計測した。これらの試験から得られた個別現象と総合現象の関係を明確にするために、中規模総合効果試験を行っている。
永吉 拓至*; 吉田 啓之; 大貫 晃; 秋本 肇
日本原子力学会和文論文誌, 4(1), p.16 - 24, 2005/03
稠密格子燃料集合体内の気液二相流の流体混合現象のシミュレートを目指し、改良界面追跡法を用いた気液二相流解析コードTPFITを開発した。TPFITの検証作業の一環として、大気圧・水-空気を用いた2チャンネル流体混合実験の解析に適用し、チャンネル間のクロスフローによる単一スラグの変形・分裂挙動やチャンネル間差圧の時間変化を比較した。その結果、スラグ上昇速度を過小評価する傾向はあるが、クロスフローによるスラグの変形・分裂挙動をTPFITが良好に予測できることを確認した。水と流路内壁との接触角など気液界面と流路壁面との相互作用の取り扱いに検討の余地が残るが、TPFITが狭隘ギャップを介した気液二相の流体混合挙動を予測できる見通しを得た。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*
ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム(HPCS 2005)論文集, P. 16, 2005/01
燃料集合体内の二相流解析には従来から二流体モデルが使われているが、二流体モデルはすでに特性が解明されている範囲での平均的かつ巨視的な現象に対してのみ有効であり、気液二相流を特徴づける非定常な界面構造を予測する機構論的な解析法とは言い難い。そこで、著者らは地球シミュレータ等のスパコンを利用して相変化や流動遷移などの複雑な過渡現象を含む二相流挙動を直接的に解析する手法の開発を行っている。本報では、革新的水冷却炉を例として行った検証解析結果について述べる。稠密に配置された燃料棒間の流路形状を簡略模擬した体系で大規模二相流解析を行い、(1)微細な気泡は下流へと移行しながら合体し、次第に成長する,(2)合体により気液界面が大きく変形し、それに伴って気泡周囲に複雑な速度場が形成される等の3次元的な気泡流のダイナミクスを再現できた。予測結果の傾向はモデル実験結果とよく一致しており、大規模シミュレーションを主体とした炉心熱設計の実現に大きな見通しを得た。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 玉井 秀定; 秋本 肇
第22回日本シミュレーション学会大会発表論文集, p.85 - 88, 2003/06
自由表面を有する流れは、大気と接する海洋,河川,湖沼のような自然界ばかりでなく、化学プラントや原子力機器などの工学の分野にも広く存在する。自由表面は移動境界であると同時にその存在が表面近傍の乱流構造を変化させるため、運動量輸送や熱物質輸送に大きな影響を与える。特に、乱れエネルギーの散逸がその発生率より大きくなる界面近傍の乱流構造は現在も不明な点が多い。原子炉燃料棒表面に見られる液膜流も自由表面流の一つである。著者らはすでに、燃料棒表面に設置されるスペーサリブ等の微小突起が液膜流に及ぼす影響を数値的に調べ、気液界面に発生する大きなせん断力によって流体中に乱れが形成され、これにより界面形状の不安定性が促進されることを明らかにした。本報では、この界面不安定現象を4種類の乱流モデル(標準型k-,改良型k-,レイノルズ応力及びラージエディシミュレーション)を使って予測し、界面挙動に及ぼす乱流モデルの影響を比較した。各モデルによる予測結果で最も大きな違いは、突起後方に形成される循環流の様相と強い乱れによって液膜から生成される液滴挙動の2つであり、特に後者はLESの結果に顕著であった。今後は、実験を行って検証データを取得するとともに界面挙動を高精度で予測できる乱流モデルの開発を行う考えである。
技術協力課*
JNC TN1400 2001-013, 70 Pages, 2001/08
機構は、機構が取り組む研究開発プロジェクトに関する基礎・基盤的研究を大学及び研究機関(以下「大学等」という。)と研究協力を図り進めている。本報告書は、平成12年度に実施した大学等との共同研究14件の実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、本報告書には、核燃料サイクル公募型研究及び先行基礎工学研究により進めている大学等との共同研究については除いている。
三島 嘉一郎*; 中村 秀夫
JAERI-Review 2001-012, 51 Pages, 2001/03
原子炉事故時挙動最適評価解析コードの予想精度向上を目的として、二流体モデルに界面面積輸送モデルを組み込み、気液二相流モデルに予測する試みがなされている。しかし本モデルは開発途上のため、依然として多くの理論的考察と実験データの蓄積が必要である。本研究は、界面面積輸送モデルの開発に寄与するため、大口径円管内の多次元的な気液二相流で界面面積分布を測定し、流動特性の把握とデータベースの構築を目指すものである。11年度は、本モデルの開発及び大口径管内気液二相流の特性解明にかかわる研究をレビューした。その結果、1次元的に気泡形状が球形に近い気泡流では、ダブルセンサプローブが良い計測結果を出しているが、スラグ流やプラグ流等の多次元的流動では、界面面積計測法、理論的考察ともに未完成で、開発要素が大きいことを明らかにした。これらの結果を今後の研究計画に反映させる。
技術協力課*
JNC TN1400 2000-003, 252 Pages, 2000/07
機構は、大学及び研究機関(以下「大学等」という。)との研究協力の推進を図るため、平成7年度から先行基礎工学研究協力制度を発足させた。同制度は、平成11年度で5年目を迎え、対象としている研究分野は機構の研究開発に係わるすべての分野に拡大している。同制度は、機構の施設及び設備を主に利用し、機構が取り組むプロジェクト開発に先行した基礎・基盤的研究を大学等との研究協力により推進することを目的とする。同制度では、機構が設定した研究協力テーマに対して、大学等から研究目的を達成する上で必要な研究協力課題及び研究協力者を提案して頂き、外部の専門家を中心とする選考委員会で研究協力課題を選考している。研究協力形態としては、大学等との共同研究の実施又は客員研究員として受け入れる形態を採用している。なお、共同研究又は客員研究員に大学院修士課程・博士課程の学生を研究生として加えることも可能としている。本報告書は、平成11年度に実施した高速増殖炉関係、核燃料サイクル関係及び環境技術関係の先行基礎工学研究に関する49件の研究協力課題の実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、49件の研究協力課題のうち、高速増殖炉関係の12件、核燃料サイクル関係の1件及び環境技術関係の4件の合計17件については、平成11年度で終了した。
鈴木 徹; 飛田 吉春
JNC TN9400 2000-019, 35 Pages, 2000/03
レーザー共鳴イオン化分光法は、近年、超高感度の微量元素分析や効率的な同位体分離などの先端技術として脚光を浴びており、レーザー性能の向上と相まって、さらに広範な工学応用への展開が見込まれている。本研究は、このレーザー共鳴イオン化分光と質量分析計からなるRIMS(Resonance Ionization Mass Spectrometry)を活用し、従来のXe,KrなどのFPガスモニタリングによる破損燃料検出及び位置決め法(Failed Fuel Detection and Location:FFDL)の高精度化及び高性能化とともに、技術革新の可能性を検討するものである。平成8年度から11年度に渡って、核燃料サイクル機構先行基礎工学分野における協力研究の下で、東京大学工学系研究科原子力工学研究施設に設置された高速中性子科学研究設備(共同利用設備)のレーザー共鳴イオン化質量分析システムを用い、Xe,Krの検出限界やS/N比などの基本性能を明らかにする基礎実験と理論的評価とともに、高速実験炉「常陽」のカバーガス分析を対象とする実証試験を行った。その結果、本研究で提案するRIMS-FFDL法は、従来のFFDL法と比較して、感度、S/N比、迅速検出性の基本的な要求性能を同時に満たすことができ、さらに「もんじゅ」で使われるタグガス法と組み合わせると、オンラインで簡便にFPガス同位体比分析が行える画期的なFFDLシステムの構築が可能との結論が得られた。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 鈴木 貴行*; 秋本 肇
日本機械学会山梨講演会講演論文集(000-4), p.173 - 174, 2000/00
核融合実験炉ITER(International Thermonuclear Experimental Reactor)で真空容器内冷却材侵入事象(Ingress of Coolant Event)が起きた場合の真空容器内の気液二相流挙動を数値解析的に調べ、ITER構成要素を約1/1600で模擬したICE統合試験装置の結果と比較した。解析には二相流モデルから成る3次元Navier-Stokes方程式を使用した。ICE事象発生後、水の減圧沸騰によりプラズマチャンバー内は蒸気で満たされる。その後侵入水はダイバータを通って真空容器底部に停留する。本解析ではこの一連の二相流挙動を数値的に明らかにした。また、サプレッションタンク内では蒸気凝縮によって初期水量及び水温が増加し、その結果飽和水量が上昇することを数値的に検証した。一連のICE事象解析の結果は冷却材侵入時の水-蒸気沸騰二相流挙動を数値的に十分予測できることを示した。
not registered
PNC TN1430 97-001, 28 Pages, 1997/01
事業団は、大学との研究協力の推進を図るため、平成6年度に大学との研究協力のあり方等を検討した。その審議結果に基づき、平成7年度から、先行基礎工学研究協力制度として実施している。先行基礎工学研究協力制度は、事業団の施設を主に利用した原子力工学分野に関する基礎的研究を大学との研究協力により推進するために、新たに設けた制度である。この制度は、事業団が設定した研究協力テーマに対して、大学側からの研究協力課題、研究者の応募をもとに、研究協力課題を選考し、大学との共同研究の設定、客員研究員の受入れ、研究生の受入れ等により研究協力を実施してきた。本報告書は、平成7年度に実施した高速増殖炉関係の先行基礎工学に関する8研究協力テーマ9件の実施結果の概要をまとめたものである。
三島 嘉一郎*; 日引 俊*; 西浦 英晃*; 飛田 吉春
PNC TY9604 96-003, 10 Pages, 1996/05
本研究は,高速炉の炉心損傷事故時に炉心に形成される燃料とスティールの混合プールの沸騰挙動の解明に関する基礎研究であり,動燃と京都大学原子炉実験所との共同研究である。内容は溶融低融点金属に気泡注入を行う模擬試験に対して,中性子ラジオグラフィー手法を用いた可視化計測を行って,高密度比気液二相流の気泡径状,動態及びボイド率などの基礎データを取得すると共に,このデータを用いて動燃のSIMMER-IIIコードのモデル検証・改良などを行うものである。本年度は,共同研究の初年度として,低融点合金の予熱と吹き込みを可能とする実験装置一式の製作と気泡模擬形状の空間を有する固体資料を置いた状態でのラジオグラフィー可視化測定性確認試験を実施した。本報告書ではこの可視化測定性試験結果について報告する。
佐藤 泰生*; 佐田富 道雄*; 川原 顕麿呂*
PNC TJ9614 94-001, 59 Pages, 1994/03
垂直気液二相流系におけるサブチャンネル間のクロスフローは、乱流混合、ボイド・ドリフト、および差圧混合の三つの成分から成るといわれている。このうち、各サブチャンネルにおける両相の流量が管軸方向に変化しない平衡流では、乱流混合のみが生じる。これに対し、非平衡流では、一般的には、これら三成分が共存した状態となる。本研究では、このような非平衡流について、管軸方向への流れの再配分過程に及ぼすサブチャンネル間差圧の影響を実験的に調査している。実験には直径16mmの二つの同一サブチュンネルからなる流路を使用し、これら二つに空気と水を不均一に導入することによって、サブチャンネル間に差圧のある場合とない場合のいくつかの非平衡流を実現した。そして、各サブチャンネルにおける管軸方向の空気と水の流量分布、ボイド率分布、片方のサブチャンネルに両相のトレーサーを注入した時の濃度分布のデータを、サブチャンネル管差圧分布のデータと共に得た。さらに、これらのデータを分布して、上述の三成分に対応する空気と水の横方向速度を求め、それらの速度に及ぼすサブチャンネル間差圧の影響を調べた。
日本混相流学会*; 三流体詳細熱流動解析コード検討専門委員会*
PNC TJ9565 92-001, 173 Pages, 1992/05
本研究は、三流体モデルに基づく熱流動解析の高度化を目的としている。高度化の対象は、流れのモデル、構成方程式、数値計算手法の3項目である。各項目に対して、現状の調査検討が実施された。その結果、高度化の方策を提示することができた。また、今後の構成方程式の高度化に役立つ水・蒸気系及び水・空気系実験データベースが収集された。数値計算法に関しては、計算効率を向上させるための方法が提示された。この方法により、計算速度は約20倍に向上した。
傍島 眞
混相流レクチャーシリーズ第3回; 基礎から最前線まで, p.55 - 67, 1989/00
混相流中で最も一般的に出会う気液二相流の計測法について解説し、その開発利用の具体的例を示した。計測の対象となる量には、各相の流量(流速)、ボイド率、平均密度のほか、局所量として液滴密度と径分布、液膜厚さなどがある。これらの計測器の開発は、原子力の安全研究において二相流の熱水力モデルを作成するために必要な現象把握の測定を目的として、近年に体系的に行われてきた。様々な原理を利用した計測器の例を上げ、その利用技術や問題点を使用経験をもとに紹介した。